ジャンルの反復横跳び

宝塚歌劇その他、心惹かれたものについて

2021観劇まとめ

はじめに

2021年は昨年までと比べてすごく観劇回数が増えた年でした…ざっと3倍(え?)。いや~観ましたね。備忘録を兼ねて1月から順番に振り返っていきます。なお、足を運んだ舞台を中心に、配信で見たものやコンサート等々にもさらっと触れています。

1月:5回

2021年一つ目の舞台は宝塚じゃなかった!『てにあまる』は東京芸術劇場プレイハウスで公演された藤原竜也さん主演作です。高杉真宙さんが好きで観に行ったのでした。お二人と佐久間由衣さん、柄本明さんの4人舞台で、上演台本を購入することができたので膝に広げながら観劇した思い出。タイトル通り手に負えないような出来事が次々起こる上にそれが解決しないままに終わっていくお話で、終演後暫く複雑な感情を抱えたことも覚えている。

『アナスタシア』は歌がどれも素敵だったことと電車の装置と照明が面白いな~と思っていた。そらぴリリーしか勝たん、くらいの気持ちでしたね。『Aqua Bella!!』は有給休暇を取って昼と夜と配信を観た!昼と夜の間にせっせとブログを書いたのも楽しかった。思えばあれが私にとって初めてのマチソワ経験でした。

そして1月は弟に薦められて『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』を全話見た。ルパンブルーの中の人にハマってスパイスカレー作りを始めたのでした、懐かしすぎる。

2月:3回

  • ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』(主催:梅田芸術劇場
  •  PLATTO朗読劇『自粛が明けたら』*配信
  • 『the Wonder 「MIYA COLLECTION」』

ポーの一族』。2018年に衝撃を受けた明日海りお様のエドガーを再び拝見することができた興奮たるや。あの頃よりも"人ならざる者"の雰囲気を色濃く纏っていたみりおさん本当にすごかったな~。涼風真世様の老ハンナもとっっても威厳があってお歌が巧すぎた。『自粛が明けたら』は1月にハマったルパンブルーの中の人が出演されていた朗読劇を配信で観た。内容はあまり覚えていないけれど、宅飲みしている3人の掛け合いとその後のアフタートークから伺える仲の良さが心地よかった。

そ、し、て、『the Wonder 「MIYA COLLECTION」』。ミヤコレ!美弥さま尽くしの130分間すごく楽しかったな。退団後の美弥さまを私なりに好きでいたいな、と思わせてもらえました。

3月:3回

振り返ってみて気付いたんですけど、2021年の観劇回数が跳ね上がった原因は3月のロミジュリです。ムラ方面に行く用事に合わせて入手したロミジュリBのチケットが私の運命を狂わせたんですね、うん、そう。だって在宅勤務なのをいいことに千秋楽の配信観てるし、4月に堪え切れずお手紙出しているし。先日 友人に言われて気が付いたのですが、当初はぴーさんのマーキューシオが衝撃で、彼を通したティボベンについてのブログを書いていたりしていましたね。それが東京初日には綺城さんばっかり目で追うようになるのだから人生はわからないものです。道枝駿佑くん主演のロミジュリは松岡和子さん翻訳の『ロミオとジュリエット』に忠実で、宝塚版と共に舞台の原作を読む楽しさを教えてくれた。

小説と言えば、3月に読んだ小川洋子さんの『密やかな結晶』はとてもよかった。「記憶狩り」によって、色んなものが消滅する世界-鳥、香水、ラムネ、左足、そして小説。身の回りにあるものが無くなっていくとしたら、私たちは私たちのままでいられるのだろうか、ということを考えたりした。

4月:6回

だいきほ卒業公演をお譲りいただいて観に行くことができたのは奇跡だった。きぃちゃんのラップが最強。歌声を存分に堪能したくてライビュにも行った。

そして16日から始まった星組ロミジュリ東京公演では初めての初日観劇。初日を観劇した時には綺城さんばかりを目で追っている自分に気がついて、そこからはBのベンヴォーリオとAのパリスどちらもずっと観ていました。職場でお昼休みの度にチケトレに張り付いてチケットを増やそうと格闘して、ガチすぎて友人に引かれたっけ。4月24日に27日以降の公演中止が発表されてマチソワが泡と消えたことは忘れられない。狭間の25日公演は客席の拍手にも熱が入っていたな。その後5月に再開されて本当によかった。

舞台以外でいうと高杉真宙さんのフォトエッセイ発売記念イベントに足を運びまして。生きている~~~会話してくれる~~~と舞い上がって帰ってきた。

5月:12回

宝塚版のロミジュリは2日にB日程千秋楽が無観客ライブ配信という形で行われたことを書き残しておかなければと思う。3日のチケットをお譲りいただく予定だったからすごく悔しかったな。私が狂ったのは特にB日程のロミジュリだったので、その気持ちをぶつける先を探して歌劇に投稿もした。2週間の休演で済んだのは幸いだったというべきか。けれどこの頃から、観劇時のマナーを含む行動規範が各個人に委ねられることによるギャップも強く感じるようになった。ガラコンとHSHの配信をはしごしたのはGWの良き思い出。

外部の現代版ロミジュリも観劇して、ベンヴォーリオ役(Wキャスト)の味方良介さんを観てドラマで観た人だ!!となっていた。もうお一人ベンヴォーリオを演じられた前田公輝さんが好きすぎた。

『メリリー・ウィー・ロール・アロング-あの頃の僕たち-』は朝夏まなとさん目当てで観に行った。新国立劇場キレイだったしホワイエが広くて好き。この作品はブログを書こうとして挫折した作品の一つです。冒頭だけ書いたので供養させてください。

あの頃はよかった、と思うことがある。あの時ああしていれば今と違う未来になっていたかも、と想像することがある。それでも私たちは、今生きている人生しか選べない。『メリリー・ウィー・ロング・アロング』の舞台は、"逆再生"によって展開する。フランク、チャーリー、メアリーの3人はかつて夢を語り合い、共に成功を目指した仲間だったが、その関係性が拗れ、離れてしまった40歳の時から始まる。

40歳から20歳へ、3人の関係が破綻した現在から希望に満ちていた過去へ、"逆再生"で描いたこの作品は、今もなお私の心の中の一部を占めている。観客の私たちが過去に遡ることで知る彼ら/彼女らの大切にしているものが、既に観た中で否定されていることを知る度に何とも言えない気持ちになった。観る人の境遇によってかなり印象が変わる作品のようにも思うので、最後の彼らと同世代の私が冒頭の彼らくらいまで歳を重ねた頃、この作品は思い出を振り返るような気持ちで観ることができるようになるのだろうかと想像する。

6月:5回

5月に引き続き外部の現代版ロミジュリを観劇。ベンヴォーリオのWキャスト、前田公輝さんの第一声に心を鷲掴みにされて、ロミジュリオタクの我儘をブログに記して、3月から続いたロミジュリ期間を駆け抜けたのでした。同じ曲でも歌詞が違ったり、男性がいることでダイナミックなアクロバットが取り入れられていたり、どちらの良さも堪能できてよかったな。花組さんはお芝居での華ちゃん、あきらさんの存在感が印象的で、クルビは特にお肉バトルのところが楽しすぎた。贔屓組ではなくても本公演3回は観たいな~とこの頃から思い始めました。

そして七海ひろきさんの主演舞台『ROSSO』@TBS赤坂ACTシアター。「赤」を探す青年が、赤ずきんや赤鬼と出会いながら旅をする物語。テーブルクロス引きとかジャグリングっぽいのとか、チャレンジングな演出が盛り込まれていてドキドキしたな。怜美うらら様や大野拓郎くんなど、共演者の皆様のお姿も楽しく拝見しました。ひろきさんは赤色がとても似合いますよね。

7月:12回

VERDAD!!』むちゃくちゃ楽しかったです。星組88年!のかわいいことなこ、レイナ様な瀬央さんとこっちゃんのトーク、1幕の怒涛の宝塚履修タイムからの2幕J-POPもDisneyも何でもござれな礼さんはじめ最下級生まで解像度が上がったし、とても観やすい舞浜アンフィでの時間は至福でした。碧海さりおくんのダンスの上手さに舌を巻いた。宝塚歌劇を愛する限り自分は永遠に新規だな…と改めて思うなどしました。

グレプリは美弥さまのローラン・ティエリー(男性役)が観たくてブリリアへ。2階は思ったより観やすくてよかった。カッコイイゆきちゃんも見られて楽しかったな。本当はもう1度行きたかったのですが叶わず。

『桜嵐記/Dream Chaser』は珠城りょうさんと美園さくらさんの退団公演。お芝居は南北朝時代の楠氏にまつわるお話で、冒頭の光月るう組長による南北朝の関係をシンプルに説明してみせるところが見事だった。猪鍋の場面での月組子がそれぞれ細やかにお芝居していて、どこを見ても面白かった。ドリチェは黒燕尾群舞とその後のピックアップがいつ見てもときめいたな。大げさではないけれど、たまさく から うみれいこ への引き継ぎのような場面もあって。

KAAT『マノン』はお譲りや交換に応じてくださった方のお陰もあって、文字通り行ける限り行くことができました。ハンマーヘッドに行けたのも楽しかった。愛みほのお芝居の説得力に唸り、レスコー華音くんにときめきまくりつつ、フィナーレの綺城さんに心底惚れた。ミゲルと綺城さんについてのエントリも下書きのままだぁぁ。どうにか完成させたい。です。

婆沙羅の玄孫』は轟さんの最後のご出演公演で、観劇できてよかったなと思う公演でした。天華えまさんの襷掛けの所作の美しさが強く印象に残っています。ところで別箱に足を運んだのは多分、星組の『オーム・シャンティ・オーム』以来だったので、まさか3つコンプリート出来るとは思いもしなかった。いつの間にか星担…?と自問したり。

8月:4回

  • 『七海ひろき One-manLIVE773“FIVESTAR”』
  • 『桜嵐記/Dream Chaser』(月組
  • 王家の紋章
  • 『銀ちゃんの恋』(花組

ひろきさんのライブ!有観客!楽しかった。特に卒業以来(ディナーショーなどに行っていないので)久しぶりに歌ってくださった宝塚時代の曲は驚きがあって、嬉しさもひとしおでした。ひろきさんは退団されてからぐっとお歌が上手になられたよなぁと感じていて、それは歌いやすいキーの曲だったりするのも一因ではあるのだろうけれども、"変わらないために変わり続ける"という言葉の通り、進化を止めずにいるのだろうと思う。

王家の紋章』は、まぁさまの悪女が観たくて行って大満足で帰ってきた。

『銀ちゃんの恋』は、水美さんが"背中で語れる男役"として0番で輝いておられることに震えた。カラフルキラキラ電飾を付けて棺の中から登場したフィナーレ、お祭りだ~~!とテンション上がった。

Jのライブにも足を運びました。現場は初めてで、団扇を作って参加したのもよい思い出。

9月:9回

全ツ花組が当たってふらりと行きました。れいまどが相性良さそうで宙ファンとしては安心した気持ちにもなったり。クルビではひとこちゃん~!となってた。まどちの騙されないソングは定期的に聴きたくなります。

『少年たち』はJの舞台なので行ったよという記録だけ。新橋演舞場観やすかった。

そして9月はなんと言ってもホムシュー。すっっっごく楽しかった。お芝居とショーどちらも好きすぎてどうしてもチケットを増やしたくなってお譲りを探して当初より少し多く観劇できて。北原先生のスペースを聞いてル・サンクを購入し、正典を読み始めた。

10月:6回

緊急事態宣言解除直後に弾丸でムラ遠征してやぎゅダンを観た。会ってくださった方ありがとうございました。シティーハンターも原作知らなかったけれど楽しかった。FFは朝美さんの歌声がとても好きということに気付くことができたし、ここにソラカズキが加わる雪組さんを2022年も観なければ!と思ったり。

マドモはみり華がエリーザとコンスタンツェを通して舞台上に描き出したシスターフッドが好きだったなぁと思い返している。平方さんのサリエリも良かった。ニュージーズは貴重なチケットをお譲りいただいて観劇することができて。京本大我さん率いるニュージーズの躍動感溢れるパフォーマンスと、咲妃みゆちゃんの演じたかわいくて強い女性が魅力的で、憧れた。

11月:4回

美弥さまビルボード!横浜でした。おしゃれな空間でおしゃれなお衣装でノリノリで歌う美弥さま、最高に素敵だった。特にGLAMOROUS SKYが似合いすぎていてリアルNANA…と思いましたよね。2022年のヴェラキッカも楽しみ。

マイ・フェア・レディ』。3年前は観に行けなかったので、まぁさまのイライザを観に行きたいと思っていました。曲の中でイライザが「ひ」を「し」と発音してしまう(=訛っている)ことを自然に描いているのが上手だなぁと思った。今年はまぁさまの舞台割と追えて良かったな。しかし役替わりというのはどうしても観劇できない組み合わせができてしまうことが悔しいので、そこには惜しまずどちらも観ようと決めました。

12月:12回

  • 『プロミセス・プロミセス』(宙組
  • 柳生忍法帖/モアー・ダンディズム!』(星組)8回+ 新公1回+ *配信1回
  • 『バロンの末裔/アクアヴィーテ!』(宙組) *配信1回

プロプロに行けたのも今年の奇跡。やぎゅダンの新人公演も直接観ることができたのも奇跡。クリスマスプレゼントだったのかな?柳生は立ち回りもわくわくしたし日替わり拳法も楽しかった。モアダンの綺城さんが毎秒好きすぎて、毎回すぐに終わってしまう気がしたショーだったな。


2021年合計・・・81回

ダントツで人生最多観劇回数。ロミジュリとマノンとやぎゅダンが主な原因。あとは宝塚の各組の複数観劇と別箱にも手を拡げ、更に外部舞台も今年は積極的に足を運んだから…と一つ一つ見返せば然もありなん、という感じですね。

このご時世なので人と会うことはあまり推奨されず、他方で劇場の扉は再び開かれたわけですから、反動が起こった結果だと言えるかもしれません。とは言え、予定の無い週末を過ごすことを恐れている自分がいることに気付いたりもして。来年は自分のペースを体得したいな。来年からも、細く長く、宝塚歌劇を好きでいたいと思っています。

めっちゃ滑り込んだ!来年もよろしくお願いします!!