ジャンルの反復横跳び

宝塚歌劇その他、心惹かれたものについて

奇跡のような、ー星組『1789ーバスティーユの恋人たちー』感想

はじめに

星組さんの『1789-バスティーユの恋人たち-』、明日の代役公演を観に行けることになりました。観た後の自分の感情が想像できないので、今まで私が星組1789を観て感じたことを閉じ込めておくために、書きます。

星組版を初めて見られたのは7/2の大劇場千秋楽ライブ配信。大きいテレビをゲットしたので、テレビとPCを繋ぐケーブルを調達する本気っぷりを発揮しました。礼さんの歌う「俺たちの土地を奪い取って~」というフレーズを聴いた瞬間に鳥肌が立ち、1幕ラストのエネルギーに爆泣きした。あのケーブルはあれ以来使ってないけどまぁ良しとする。その後、劇場でも観劇できて幸運だったな〜。というわけで、好きな歌と好きな場面(という目次は立てたけど語りたいだけ語る)いくぞー。

好きな歌

ぜんぶ好き!!! 

ぜんぶ好きなのですが、やっぱりまず ♪革命の兄弟 が大好き。今回の宝塚版に入れてくれて小池先生本当にありがとうございます。ことありきわみのハーモニーがとっても素敵だった。「肩を組み」のフレーズで肩を組む3人の無敵感が煌めくからこそ、 ♪自由と平等 (この曲始まりのドラムパート好き)での「お前と俺が兄弟だなんて 誰が信じる 言葉の上だけ」という歌詞が胸に迫るし、2幕の ♪誰のために踊らされているのか? の曲終わりに和解した3人が歌う「俺たちは兄弟だ 革命が産み落とした」のワンフレーズが本当に最高。

♪夜のプリンセス は、今までも好きな曲でしたが、今回の小桜ほのかちゃんの歌唱を聴いて更に好きになった曲。胸元のマイクに地声歌唱であの響きようはすごい。パンフレットで小池先生が「実在感のある女性像に挑戦」と記されていたまさにそのとおり、美しく可憐な娘役さんというよりは現実にいる女性に近い印象を受けた。それでいて品を失わないバランス感覚が素晴らしかった。

次いで ♪誰のために踊らされているのか? が好き。いつ聴いても、「"ゆ"がんだ時代に」「”し”たがう事を」「"お"ろかな民だと」1音目のファルセットに新鮮に衝撃を受ける。極美さんロベスピエール、民衆の真ん中で歌う様が鮮烈でした。それとね、「"だ"れのために」「"お"どらされて」1音目のぴーさんのポージングが格好良くて釘付け。1789は民衆の物語なのだ、とどうしようもなく伝わってくるこの曲が大好き。

少し毛色は変わりますが、ペイロールの ♪国王陛下の名のもとに も好き。輝月さんが冒頭のパートで効かせたスタッカートに感嘆した。発声が1音ずつ明朗で、歌詞が聴き取りやすくてすごかった。

そしてラストを飾る ♪悲しみの報い 。天に召されたロナン礼さんのイノセントな歌声が泣けて仕方ない。心が浄化される気がする。盆が回り、みんなが順番に歌い継いでいくところが好き。ロナンが撃たれて幕引きに向かうところに些か引っ掛かるところはあるのですが、自分の父がペイロールの命令で撃たれた冒頭とオランプの父を守った最期の対比構造が効いているのはわかる。

1789は名曲揃いで、それが礼さんの美声で聴けるなんて、と、上演決定当時から本当に楽しみでした。♪二度と消せない で礼さんの声に礼さんのハモリが重なるところが荘厳すぎて舌を巻いた。「神の悪戯で出会ってしまった 二人」の声が雲間に射す朝日のようで、つきぬけた美しさに驚嘆するばかりだった。

好きなところ(箇条書き)

・♪パレ・ロワイヤル が今回大好き!!曲の終盤、本舞台と銀橋にわかれた民衆が向かい合ってハイタッチをした瞬間。胸がときめいた。幸福感で満ちて、宝塚を観ている!という気持ちになる。

・巷で話題のロナンプキス。私は礼さんの芝居声が好きで、助けてくれたオランプへの「…なぜ?」という問いかけだけでもだいぶ悶えるのですが、吐息まじりのキスを目にしてあのシーン毎回 """ひゃー"""(目を手で覆うけど隙間から覗く) という気持ちで観ちゃう。

・みほちゃんアントワネット。
♪全てを賭けて では自由奔放で恋に身を焦がす女王として。
♪革命が始まる (♪全てを賭けて のリプライズ?)の登場時の姿からは、女王としての覚悟を決めたのだと伝わってきた。この曲の後にオランプの背中を押すアントワネットの台詞こそ、1789のキーメッセージの一つだと思う。

ひとは、愛が無くては生きていけない。じぶんが本当に愛するひとを見極めることが大切なのよ。(大意)

♪神様の裁き からは、フェルゼンが伸ばした手を静かに拒み、静かな決意が滲む清廉な美しさが伝わってきた。

・さりおくんラマール、うますぎる…軽妙で小物感つよいけど、部下2人に慕われているのがよくわかる「憎めないひと」。なおフィナーレ男役群舞で大階段のセンターを張るさりおくんがめっっっちゃ格好良かったんです、好き。

・華音くんフェルゼン。
緊張感のある静けさの中でお芝居をする華音くん、一挙手一投足を固唾を飲み拝見しました。
女王に伸ばす手と引き結んだ唇、拒まれ握りしめた拳と騎士に戻る顔つき、流麗な一礼と踏みしめて進む大きな背中。
次々に大ナンバーが続く1789の中で、無音の場面は少ないからこそ強く印象に残った。フィナーレのキレキレダンスと不意打ちウィンクもしっかり捕捉しました格好いいい。

バスティーユに収監されたロナンの身代わりで捕まる鳳真くんの騒がしさが好きで、マスクの下でニヤニヤしていました(笑)

終わりに

一旦区切り。明日は明日感じるものに正直に、楽しめたらいいなと思う。

以上!