ジャンルの反復横跳び

宝塚歌劇その他、心惹かれたものについて

"美弥るりか"というジャンルに惹かれて―the Wonder 「MIYA COLLECTION」

美弥さまは私にとって、月のような人です。美しくて、輝いていて、様々な姿を見せてくれて、決して触れることはできない。でも、何度も見上げてしまう。時々ふいに、泣きたくなったりもする。
the Wonder「MIYA COLLECTION」、昨日の千秋楽公演を観劇してまいりました。

www.miyacollection20.com

1年前訪れるはずだった東京国際フォーラム……ではなく、日本青年館ホールに一歩足を踏み入れた時から、真っ赤な座席に、金色の幕の「MIYA COLLECTION」の動くカリグラフィーに、すごーくときめきました。座席に着くと、赤い髪や赤い服、そしてミヤコレのTシャツを着ている人を見かけて、更に高まりました。千秋楽だったからか、近くには着物をお召しの方も数名いらっしゃったな。幕が上がり、0番に佇む美弥るりかさまを目の当たりにした時から、もう、冒頭から感極まってしまいました。

ACT1 "Mirror"

 鏡に映る美弥さまが振り向くと現れる仙名彩世さん。扉を開けた美弥さまが仙名さんと入れ替わるようにそこから飛び出し、私たちも様々な国の旅に誘われます。パンフレットの美弥さまのお言葉で分かった(観たときは逆だと思っていた)のですが、幕が開いたときに美弥さまがいる場所が「Mirror=鏡の中」なのですね。仙名さんはそこから連れ出してくれる存在。

IN PARISは赤味のかかった美弥さまの髪と相性ピッタリの真っ赤なお衣装!スカートのようにも見えましたが、早変わりでパンツスタイルになったのも大好きでした。パンフレットの"RURIKA MIYA ART collabo"で記憶を反芻できるのめちゃめちゃ有難い~。"夢見るシャンソン人形"など曲もピッタリで、この公演のくるくる変わる万華鏡のようなセトリすごく楽しかったです。

IN NEW YORKのシックなお衣装も大好き。「Show Me How You Burlesque」美弥さまお似合い~!"OK,Girls"のとことか、"Yeah yeah yeah yeah..."のノリノリなところ、あぁ声を出せたら!と思ってしまうほどでした。

IN AFRICAは冒頭の仙名さんの全身を使った踊りに目を奪われました。砂漠を進む女神様がいました。ターバン巻いた美弥さまも素敵でした。白いお衣装を脱ぐとシャツに黒ボトムスのシンプルな装いになり、IN UKへ切り替わります。

IN UKの冒頭、裸足だった美弥さまが階段に置かれたブーツを履かれるところ、バサリと羽織ったジャケット姿がカッッコよくて…!!そしてOne directionの曲ですよ。最後「Thank you!!」と去って行かれるところも最高に素敵でした。

IN JAPANのお着物も艶美でため息がでました。黒の帽子もハイセンス。語彙力が足りないです。ここまでほぼ美弥さまにしか言及していませんが、ここの扇子を使った曲のところで、ダンサーさんが扇子を途中落としてしまわれたのですが、取りに行ったら間に合わないと判断されたのか暫くそのまま手を扇子のように小刻みに動かして踊ってらっしゃって、あぁプロの方というのは凄いのだな、と思っておりました。袖で扇子を拾っておいて、少し広げて近くに戻ってきたダンサーさんに渡されたスタッフの方も天晴でございました。プロの技を見た。

ACT2(ゲスト:東山義久さん)

 ACT2はゲストと歌う「木綿のハンカチーフ」と続くトークタイムで幕を開けます。ここで美弥さまが身に着けてらした黒のお衣装すごく好きでした。パンクでモダンという感じ。ロングコートの中のお衣装は丈が短くて、ニーハイとの隙間に肌が少し見えていたのが最高にツボでした。見えないけれど確かに魅力になっている、言わば隠された華のような。トーク冒頭は曲中の階段を使った即興パフォーマンスに言及した後、備長炭に興味が薄そうな美弥さまと「Youtube見てって!」な東山さんのやり取りがかわいかった~。口笛、想像したより何倍も本格的でびっくりしました。ゲスト毎に異なるデュエットでは美弥さまと東山さんのダンス競演に目が釘付けでした。そしてゲストのソロは『ロックオペラ モーツァルト』より「殺しのシンフォニー」。宝塚版のロクモでは凪七さんが歌われていたこの曲を、美弥さまの舞台で聴ける巡り合わせを感じます。"叫ぶ/逃げられない/お前は"あたりのキーの上がり方と"レクイエム"、"メロディーを"の感情の乗り方は鳥肌もの。

続くJAZZ Session、美弥さまのご挨拶、そしてIN KOREA。TEMINさんがお好きだと以前聞いたことがあった気がしたのでK-POPを歌うとわかった時そうかな?と思いましたが、これも美弥さまにぴったりでした。ゆきちゃんソロではさすがの美声を堪能し、るりゆきによる椎名林檎さん「長く短い祭り」は、これだ!!と膝を打つようなハマり具合でした。椎名林檎さんの退廃的な雰囲気が美弥さまにぴったりで、というか美弥さまってほんと、なんでも似合いますね…"美弥さまらしさ"がそれぞれのジャンルとの掛け合わせで絶妙に引き出されていて、まさにスターだなぁと思いました。これはちょっと…みたいな瞬間がない。すごい。

本編ラストを飾る「story」は、ミュージシャンの皆さまが演奏される前に幕が少し降り、そこに歌詞が投影されます。歌詞は覚えていないのですが…"誓おう"というフレーズが印象的でした。あそこ、多分"信じる"的な言葉が続く文脈だった気がするんですよ。そこで敢えて"誓おう"を持ってくるところが…困った、全てが曖昧だ。今後歌詞が確認できる機会があったらまた追記するかもしれません。アンコールの「Everything for love」も、宝塚の舞台で聴いたときとはアレンジもあって趣が違いましたが、それもまた素敵でした。

興奮冷めやらない客席のスタンディングオベーションにこたえて幕の横から出てきてくださった美弥さま、"やばい"と、堪えていらしたものがほどけたように少しだけ泣いていらして、"幸せです"と、そう仰る美弥さまのお姿を見せていただけて私の方が幸せです、という気持ちでした。ちゃ、ちゃちゃちゃ、の拍手のフリ、美弥さまの手が動くより早く〆てしまった私たちに「皆さんどこかでやり慣れていらっしゃいますね!?」「もう1回いきますよ」からの上手くいって満足してらした美弥さまがまるっとかわいかったです。好き。

観終えて—"美弥るりか"というジャンル

 私にとって美弥さまは、手が届かないような、自分が好きになってはいけない人なんじゃないかと思う存在でした。ずーっと「美弥さま」としかお呼びできないのもその表れだったりします。私が持ち得ないもので内側から発光しているような煌めきがあって、例えるなら、憧れだけど話しかけることはできない学校で一番美人な先輩、でしょうか。

でも今回観劇して、パフォーマンスするすべてのお姿に、関係者の皆様も言及されるお人柄の素敵さに、そしてジャンル"美弥るりか"に、恋、焦がれてしまいました。これからも続く美弥さまの旅路を、少しでも一緒に歩ませていただけたら、こんなに幸せなことはありません。

私は美弥さまのことが大好きだ、と、たしかに思わせてくれたMIYA COLLECTION、本当に本当に、ありがとうございました。