ジャンルの反復横跳び

宝塚歌劇その他、心惹かれたものについて

たった一言で

今日、悲しい出来事がありました。

内容を詳しく書くことは出来ないのですが、大好きなものを落として失くしてしまったんです。原因は私にあって、誰かや何かを責めることはできません。だから余計に、「ああ、自分ってホントばかだ、だめだ」と思ってしまいました。

思い入れが強すぎる「何か」に集中しすぎると、逆に注意力が散漫になってしまって、普段ならやらないような失敗をしてしまうんです。

不幸中の幸いだったのは、その悲しい出来事があった同じ場所で、素敵な出会いがあったこと。伝えるはずだった想いを、同じ気持ちの人と分かち合う時間を過ごせたことで、ショックから立ち直れました。そのままの状態だと、涙が出てきてしまいそうだったので、その人には本当に感謝しています。ご厚意でいただけた物のお陰で、今も部屋で一人ニヤニヤしています。

元来ポジティブな性格なので、上述のような出会いもあり、一時間も経つ頃には「まぁしゃーないか」と思えるくらいにはなっていました。今回の場合は諦める以外どうしようもなかったので、逆に引き摺らずに済んだ部分も、あるかもしれません。

でも、そうは言ってもやっぱり、悲しいものは悲しいし、やるせないとは言っても、「あの時ああしてれば…」なんて、そんな気持ちが何度も心に浮かんでいたんです。

だって、だってですよ?

今日はそのために、朝ちょっぴり早起きして、お気に入りの服を着て、高いヒールのサンダルを履き、初めての美容院で髪を切って、私のできる目一杯のオシャレをしていたんです!

……でも、仕方ないよ、だって私が悪いんだもん。あーあ。

そう思いながら、お互いの予定が終わったら会おう、と言っていた友人に会いに行きました。

次、そのことを伝えたら、きっと笑ってくれるよ。

彼女はそう言ってくれました。その、たった一言で、本当に立ち直れた気がしたんです。大げさだけれど、救われた気がしました。

あ、気にしなくていいんだ、これからもあるってことだ。そう思ったら、浮かんでいたやるせない気持ちが無くなりました。

「こんなことがあった」と言った私に対して、同情だったり慰めではなくて、ふわりと、顔を上げることを教えてくれた一言が、とっても嬉しかったです。

歴史に残るような名言でなくてもいい。

ふとした、何気ない一言が、人の気持ちを軽くするときってあると思うんです。そんなに力まなくても、あなたが誰かに、同じ目線で自分が感じたことを言葉にしてみたとき、もしかしたらそれが誰かを掬い上げることもあるかもしれません。

そんなことがあった今日、だから、思ったんです。

ふとした一言を、丁寧に伝えられる人になろう。沢山話さなくてもいいから、誰かが幸せになれる言葉を紡げる人になろう。

明日も、素敵な一日になりますように。